2018/10/10

ホテル椿山荘東京

ホテル椿山荘東京
ホテル椿山荘東京

約140年の歴史ある庭園に佇むホテル椿山荘東京。豊かな庭園に抱かれたホテルは、日本らしい佇まいとホスピタリティで国内外の旅行者を捉え、東京のホテルシーンを牽引する。歴史と伝統を大切にしながらも、異業種ブランドとのコラボレーションメニューや食のトレンドを積極的に取り入れるなど料理においても前進を続ける。

十代 雅之 総料理長
十代 雅之 総料理長

十代 雅之 総料理長
1986年、藤田観光株式会社入社、椿山荘(現:ホテル椿山荘東京)洋食調理課配属。婚礼や宴会、レストラン等の洋食調理担当を経て、2007年、同 洋食調理課長に就任、調理とマネジメントの総合的な統括を任される。2010年、藤田ホテルマネジメント株式会社京都国際ホテルの総料理長に就任。2015年より、ホテル椿山荘東京の総料理長を務める。

自分の力をホテルに還元する

「婚礼、イベント、レストランなど、どの形態であっても、お客さまのご要望に全力で応えることに注力します」と言う十代雅之総料理長。宴会場は全38会場と規模が大きく、開催時間帯もさまざまだが、お客さまそれぞれの要望に沿うのはもちろん、宴席の趣旨、年齢層も考慮し、メニューを組み立てていく。三世代向けイベントやカップル向けのプランの充実に加え、婚礼やお祝いの場としての人気も相まって、客層は幅広い。オリンピックに向けては、世界中から集う旅行者に安心して食事をしてもらいたいと、宗教や個人の主義にどう対応できるかを検討している。「ノーと言わずに、提供できるようにしていきたい」。細やかな対応への評判は、必ず表れる。そこに料理人としてのやりがいを見出している。「お客さまの意識も変わってきていると感じています。例えば主催者の方から、何人分は別の料理にして欲しいなど、より明確なご要望を頂くようになりました」。

2015年に総料理長に就任、パートを合わせて約200名の調理スタッフを率いる。「スタッフの成長を見守ることに心血を注いでいます。毎日必ず各厨房に顔を出すようにしています。自分が行くことが大切だと思いますから」と話す。段階に合った指導を心がけるが、マネジメントのステージでは、数字の捉え方も伝える。「苦手意識を持っている人が多いのですが、逃げずに向き合って欲しいと思っています」。

料理へのアイデアを枯渇させないために

自分が料理を始めたころと、見た目も調理法も大きく変わってきていると感じている。バターの量は少なく、ソースは軽めにして野菜ピューレを添えたりと、デザインされたプレートが増えてきたのは事実だ。「それでも、基礎は変わりません。必ず通るべき道は揺るがない」。若いスタッフにはことあるごとに、ベースの料理が何かを捉えられなければ発展しないと伝えている。「まずは古典料理の知識を習得し、そこから自分流に変化させることが大切。例えば他のレストランで斬新な料理に出会った時。どんな古典料理をベースにどんなアレンジを加えたのかを想像し、アイディアのヒントを得ることで、自分の料理に活かすことができます」。

婚礼料理
婚礼料理
バックヤード
バックヤード
ロビーラウンジ「ル・ジャルダン」
ロビーラウンジ「ル・ジャルダン」
客室からの眺望
客室からの眺望

料理へのインスピレーションはどこから得るのか、と尋ねると「街を歩くこと」と答える。「市場、レストラン、デパート、美術館など、キッチンにいては見られない景色を見たい。視点を変えれば、新しい発見があります」。常にアンテナを張り、新しい店をチェックする。スタッフにも「自己投資をして欲しい」と望む。時間、必要であればお金を使うことが成長になると。「入ってから5、6年でどれだけやったかが、大きな差になって出てくる」。自身も入社してすぐは仕事に集中できず、同期に遅れを取った苦い経験がある。しかし、自分だけができないと認識したその悔しさが、今につながっている。

「東京には世界中の食材が揃い、日本人の手先の器用さやセンスはフランスでも認められています。学べるものは貪欲に学び、好きで選んだ仕事を続けて欲しい」と若い世代へメッセージをくれた。

ホテル椿山荘東京
東京都文京区関口2-10-8
TEL:03-3943-1111
URL:hotel-chinzanso-tokyo.jp


ホームへ先頭へ前へ戻る