2017/3/17
2020東京オリンピック開催に向けて世界の食文化を知る
インド・スパイス編
魚料理のスパイス使い
今回のスパイス講座は、魚料理にフォーカス。ひし形のインドは東西南北で料理の雰囲気が異なる。1回めの野菜料理は北、肉料理は西、今回の魚料理は東と南の料理を中心に構成された。東部では川の魚、南部では海の魚がよく使われるという。新鮮な魚で6種類のメニューが、インド料理らしいシルバーのプレートに完成した。
東インド・ベンガル地方の野菜、魚料理に使われることの多いスパイス「パンチフォロン」が初登場。5種類のミックスタイプで、パンチは「5」を意味する。魚料理がスパイスによってバリエーションを増し、豊かに色を変えていく。メタ・バラッツ氏のスパイスへの造詣の深さは、参加者たちに料理の新しい世界を見せてくれたに違いない。
講師紹介
- メタ・バラッツ
1984年、鎌倉生まれ。インド人の父と日本人の母を持つ。南インドの高校を卒業し、スイスでケンブリッジ大学のA Levelを獲得。その後、スペイン留学ののち帰国。アナン(株)にて新商品開発や新規事業に携わりながら、北インド出身の父アナン・メタの元で、アーユルヴェーダを基にした料理を実践している。
当日メニュー(6種)
フィッシュフライ
真鰯を使用。フライと言いながら、揚げずに焼くメニュー。3種のフィッシュカレーとのスパイス使いの違いが楽しめる。
秋刀魚カレー
日本を代表する魚を使って東インド料理風にアレンジ。マスタードをふんだんに使うのが一番の特徴。マスタードオイル、マスタードシード…その独特の辛さがご飯を進めてくれる。多めの油で最初に素揚げすることで、秋刀魚の崩れを防いで。
※マスタードは唯一弾けるほど炒めるスパイス。そうすることで活きてくる。パチパチが収まってからが次のスパイスの入れどき。
白身魚のカレー
アラを使用。南インド独特の香りが特徴。梅干しに砂糖を加えるような、酸味とほのかな甘みが印象的。日本ではなかなか見られないカレーリーフを参加者の方がプレゼント。それも加えて。3つのカレーの中で一番辛いが、程よい辛みが心地良い。
マスタードフィッシュカレー
ブリを使用。白身魚のカレーには玉ねぎとトマトを刻んで加えたが、こちらは刻まずペーストに。舌触りが異なり、よりマイルドな印象に。ベンガルの料理なのでパンチフォロンを使って。マスタードも必須。
海老のスパイス炒め
海老をたくさん食べるゴアの料理風に。ブラックペッパーとコリアンダーが効いている。
イカパコラ
あぶらと相性の良いペッサン(ひよこ豆の粉)を衣に使用。ブラックペッパーとコリアンダーリーフを加えて。ミントを入れるのもおすすめ。
- スパイス講座の調理風景
- 新鮮な魚で作った6種類のメニュー
参加できなかった方のためにレシピを一つご紹介。
白身魚のカレー(季節の白身魚で試してみて)
【材料】
・白身魚…3切れ
・マリネ用スパイス
ターメリック…小さじ1/2
レモン汁…少々
・玉ねぎ(みじん切り)…1個
・トマト(ざく切り)…1個
・タマリンド…10g
・ぬるま湯…300ml
・パウダースパイス
ターメリック…小さじ1/2
コリアンダー…小さじ1
レッドペッパー…小さじ1
・油…大さじ3
・ココナッツミルク…200ml
【作り方】
1、白身魚をマリネ用スパイスでマリネしておく。タマリンドはぬるま湯で溶いておく。
2、温めた鍋に油を加え、玉ねぎを炒める。
3、玉ねぎが飴色になったら、トマトを加えてよく炒める。
4、トマトの水分が飛んだらパウダースパイスと塩を加え、タマリンドを溶いたぬるま湯を加える。
5、全体がなじんだらココナッツミルクを加える。
6、一煮立ちさせてから白身魚を加える。
7、約3~4分煮込む。