2017/02/10
ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町
- ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町
2016年7月、旧グランドプリンスホテル赤坂跡地に、待望のホテルが誕生した。プリンスホテルの最上級に位置づけられた「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」である。
36階建ての高層ビル、紀尾井町タワーの30~36階を有するとともに1955年に赤坂プリンスホテルとして最初にオープンした別棟「赤坂プリンス クラシックハウス」で構成される。高層階の眼前に広がる景色は革新的な内装と相まって、どこか違う国の摩天楼を眺めているような気持ちさえ抱かせる。このホテルに込められたプリンスホテルの挑戦と今後の展開に期待を込め、高橋慶太総料理長に話を聞いた。
- 高橋 慶太
総料理長 高橋 慶太
1982年プリンスホテル入社、東京プリンスホテルの仕込・宴会調理に配属。その後、フレンチレストラン「ボーセ・ジュール」、グリルキッチンなどを経験する。2007年ザ・プリンス パークタワー東京の開業プロジェクトを担当、その後宴会料理長へ。2012年ザ・プリンス 箱根芦ノ湖の総料理長へ就任。
2016年ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町の総料理長へ就任。
外資に負けない箱で日本ならではのサービスを
「このホテルには宴会場がありません。レストランのみというプリンスホテルでは特別なスタイルです」。高橋慶太総料理長が言うように、メインダイニングは和食「WASHOKU蒼天 SOUTEN」、オールデイダイニングは洋食「All Day Dining Oasis Garden」、加えて、趣きの異なる2つのバー「Sky Gallery LoungeLevita」「THE BAR illumiid」を展開する。和食レストランをメインに据えたのは、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたという背景、またメインターゲットを外国人客とするために必要不可欠な決断だった。開業から4カ月が経つが、現在約7割が欧米を中心とする外国人利用者であるという。「プリンス最上級ホテルとしての新たな試みは、料理人にとっても新しい分野への挑戦です。手探りではありますが、お客さまの反応を見ながら、試行錯誤を続けています」。高橋総料理長の思いに呼応して、その試みは高く評価されているようだ。
- WASHOKU 蒼天 SOUTEN内 「SAKE Bar」
- 「All-Day Dining Oasis Garden」
「WASHOKU 蒼天 SOUTEN」が目指すのは、コンテンポラリーな和食。 進化するWASHOKU を掲げ、伝統の味・技はもちろん踏襲しながら、器、演出、サービス、発想の全てで、驚きの和食を提供する。例えば「イベリコ豚の角煮 黒酢ソース」は、和のテイストに仕立てた酢豚。ほろりとほぐれる寸前まで煮込んでからさっと揚げることでサックリと仕上げたイベリコ豚の角煮に、添える黒酢ソースは鮮やかなドラゴンフルーツの器によそう。「中身は本物でありながら、見たことのない和食がテーマです。大胆かつ繊細な料理を提案していきたいと思っています。鉄板焼きカウンターと寿司カウンターも設けていますが、ここでは希少価値の高い素材を厳選し、その良さを活かしながら、シンプルに楽しんでいただけるようにしています。 アイス をコンセプトにした内装にも、旬の素材の鮮度を閉じ込めてお届けしたいというメッセージが込められています」。
- メインダイニング「WASHOKU 蒼天 SOUTEN」
道しるべとなる存在であること
「海外のホテルのような内装の中で、しっかりと和の心を提供していくというスタイルは、プリンスホテルの新しいモデルケースです。今後の展開のために、その道しるべになれるようにしたいと思っています」。熱い思いを持って、各地のプリンスホテルから集まってきたスタッフを率いる。顔見知りの間柄でもあり、チームワークは抜群だ。「オアシスガーデンはオープンキッチンですので、ライブ感や活気、楽しさを伝えたいと思っています。スタッフは所作にも心を配る必要があります。お客さまとの会話を楽しんだり、さまざまな状況に応じて臨機応変に対応できるようにしています。また、肉や魚をおろすといった調理の基本も重視しながら、レベルに差が出ないように気をつけています。このホテルに配属されたことで何かを学べるように、どこに行ってもはずかしくないように、私が伝えられることを伝えていきたいと思っています」。この場所で働いたスタッフが別の職場に移ったとき、 あのシェフの下にいた と信頼してもらえるように。
- 「Sky Gallery Lounge Levita」
- 「THE BAR illumiid」
ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町
東京都千代田区紀尾井町1-2
TEL:03-3234-1111
URL:www.princehotels.co.jp/kioicho/
- レセプションのアートTAKENOBU IGARASHI