2014/11/10

橋本紘司のパリ通信

パリ弁慶

ロブスターのグリル、温野菜添え
ロブスターのグリル、温野菜添え

2つの文化

フランスという日本から約10,000キロ離れた国は、当然のように食材が違います。土、水、太陽の強さ、人、種類、文化。まずはそれらの特徴や性格を正確に把握していく。海外でやっていく以上、常に日本の事情と比べることは不可能で不必要だと私は思っています。あるものでやる。それは決して諦めではなく、進化だと考えています。

京料理が世界文化遺産に登録されて以来、日本料理というものが再度、見直されています。海外で日本料理といえば、寿司、刺身、天婦羅、すき焼き、ラーメンやうどん、弁当というのも流行っていますが、とにかくイメージは健康食。肉をあまり食べないで魚を沢山食べる文化、塩をふらない料理。まだまだそういうイメージの方が強いようです。私のメニューには2つのスタイルがあり、1つはあえて、寿司や刺身など、一般的に知られている料理を盛り込んだもの、あるいはそれが日本食だと思って来られるお客様のニーズに応えられるようにと考えました。もう1つのメニューは私なりに解釈した和食と洋食のアンサンブルを用意しています。

日本の和牛の海外への輸出が解禁になり、霜降り牛肉の需要も増えていくだろうと思います。私のレストランでも国産和牛を導入予定です。仕入れ価格が日本の2倍ととても高価なものですが、スタッフとともに最高のおもてなしができるよう勤めていきたい。神戸牛またはその他の国産牛をフランスで食べることができる。もし皆さんがフランス人であればどうでしょうか? 1度は食べてみたいですよね、きっと! 海外にいる以上、日本の文化を広めていくのが私の使命だと思っていますから。

Restaurant Benkay(弁慶)
昔の日航ホテル、現ノボテル・トゥーレッフェル内にある弁慶。セーヌ川が一望できる素敵なロケーション。
61 Quai de Grenelle 75015 Paris France
TEL 33-1-40 58 21 26

Restaurant Benkay
Restaurant Benkay
橋本紘司
橋本紘司

橋本紘司
1979年生まれ。数々のレストランを経て、2009年10月より、パリ15区のNovotel Tour Effel Restaurant Benkayに鉄板焼き副料理長として就任。2013年1月より鉄板焼き料理長に昇格、以後フランス料理と日本料理を融合した、新しいスタイルの鉄板焼きを探求中


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