2013/12/10
ブッフェの競争激化で注目される
ステーキ・グリル・鉄板焼
ロイヤルパークホテル「すみだ」ザ・ペニンシュラ東京「Peter(ピーター)」
ホテルのブッフェで提供される料理は、今もなお欧風料理が主流である。ただ、ホテルのブッフェが普及し、競争が激しくなっている昨今では、少し事情が異なってきた。舌で味わうだけではなく、目や耳でも味わえなければお客さまが満足しなくなったのだ。その結果、ステーキ・グリル・鉄板焼といったジャンルがブッフェで注目されるようになった。
鉄板焼ブッフェを切り拓いた名門店
ロイヤルパークホテル「すみだ」
鉄板焼ブッフェと言えば、ロイヤルパークホテル「すみだ」。2000年に鉄板焼ブッフェを始めた先駆者であり、今もなお他の追随を許していない。
フォアグラ、ヒレ、サーロイン、ロブスター、たらば蟹、帆立貝、焼き寿司など、ブッフェとは思えないような豪華なメニューが取り揃えられている。サラダも充実していてバランスよく栄養を取ることができるのも評判がよい。鉄板焼を食べた後には、ラウンジに転卓してデザートブッフェまで楽しめる。
- サラダも充実している
- デザートブッフェ
- フィレ、サーロイン、ロブスターなど
- 安富正巳氏
料理長の安富正巳氏は「ブッフェの究極形は鉄板焼のように目の前で調理して出来立てを提供することではないか」と思考錯誤した結果、今の人気の鉄板焼ブッフェが出来上がった。食材の価格向上や食材の安定的確保にも、早くから手を打っている。安富氏の鉄板焼ブッフェには、今後も目が離せない。
強みにフォーカスして、さらなる飛躍
ザ・ペニンシュラ東京「Peter(ピーター)」
グリル料理はオーダー方式だ。鶏胸肉のロースト、鴨胸肉、豚肩ロース肉、オーストラリア産ラムランプ肉といった肉類から、タスマニア産サーモン、海老、本日の鮮魚のソテー、イカのグリル、帆立貝、クラムといった魚介類までが用意されている(季節によって変更)。
約30種類もの前菜と約20種類のデザートは、ブッフェ方式で提供。前菜とデザートだけでもランチとしてボリューム十分だ。
- カービングステーションではローストビーフなどが提供される
- 美しく並べられた前菜の数々
- デザートも非常に人気
- とてもスタイリッシュでデザイン性が高い
リニューアル前はフランス料理であったが、肉料理や魚料理に定評があった。そこで、もっと追求していった結果、ステーキ&グリルになったのだ。どのようにフォーカスすれば自らの価値をより高められるかを知悉(ちしつ)した、よい例である。
東龍
ブッフェ評論家。知識を競う、TVチャンピオン「食べ放題通選手権」で2002年と2007年に優勝。All Aboutの「ブッフェ・食べ放題・バイキング」ガイド。「すみれ草201」(http://www.sumire201.com/)主宰。ブッフェの発展に寄与するべく、テレビや雑誌でも活動中。
- 東龍氏