2016/7/8

東京會舘

開業は1922年、関東大震災、戦争に翻弄されながらも、本物の味とおもてなしを洗練させ、独自のスタイルを確立していった。
国内の著名人はもちろん、海外からの国賓たちを満足させてきたのは、大正時代から連綿と受け継がれるクラシカルな料理の数々。そこにモダンさと柔軟さを加えて、2018年度にいよいよ新本舘がオープンする。
外山勇雄常務取締役・調理本部長に、その想いを聞いた。

外山 勇雄
外山 勇雄

常務取締役・調理本部長 外山 勇雄
高校卒業後、東京會舘入社。1988年にはフランス リッツ・エスコフィエフランス料理学校にて、1994年にはフランス パリ タイユヴァンにて研修。帰国後調理部プルニエ調理長などを経て、2013年より常務取締役・調理本部長に就任。

本場の技、空気を感じる料理を

「『モダンクラシック』新本舘オープンに向けても、このキャッチフレーズは受け継がれてゆきます。毎年1名のスタッフを、3~6カ月ほどのフランス料理研修に送っています。本場で実質的に働いて腕を磨き、戻ってきてからその技術を披露して欲しいと思っています。また、今のフランス料理を知り、新しい風を運んでくれることを期待しています」
特にタイユヴァンとの関係は深く、他のレストランで修行する場合も、必ずタイユヴァンでの研修期間が組み込まれており、現在の総調理長アラン・ソリヴェレス氏を招いたフェアも開催している。

「フランス料理はソースにつきます。私たちの強みはそこにこそあると思っています。ブイヨン、フォン、ドゥミグラスは100%手作りし、そのこだわりは並大抵ではありません」と自負する。「安心・安全は大前提、クオリティの高い料理を提供し続ける必要があります」。
宴会の場面ではサービススタッフとのコミュニケーションを密にし、決まったメニューに準じて滞りなく提供する。一方レストランの場面では「一対一、瞬間瞬間でのサーブが重要です。準備はしていても、前のお皿が下げられて初めて作ることを徹底しています。優雅な食事の時間を過ごしていただきたいのです」

如水会館
如水会館
コンソメスープ
コンソメスープ

「100周年」を見据えて

2022年、創業100周年を迎える。3世代、4世代にも渡る顧客は大切な財産だ。「100年経ってもなくならない、求められる料理があります。子供のときにお父さまに連れられて来られた方が私たちのレストランで味を覚えて、またいらっしゃることもあります。ご両親が結婚式をなさった方が、自分たちもここでとご要望され、40年、50年前のメニューを持ってこられることもあります。また食べたいと言っていただけるので、味を変えることはできないのです」。

創業してわずか2週間後に登場したという「ソールボンファム」はメインダイニング「プルニエ」のスぺシャリテとして多くの人に愛されてきたし、前の東京オリンピックが開催された1964年、期間限定でオープンした「イル・ド・フランス」で腕を奮ったレイモン・オリヴェ氏直伝の料理「プリンスアルベール」も健在だ。「ガトー」や「マロンシャンテリー」といったデザートも、東京會館の味として、現在まで引き継がれている。
「昔からの料理やお菓子を忠実に再現するのも大切ですが、いかに新しく見せるかも考えていかなくてはなりません。東京には一流のものが集まっています。井の中の蛙にならず、ウィンドウを見てまわったり、新しいレストランをリサーチしたりして、たくさんの感性を吸収して欲しい」。

舌平目の洋酒蒸 ボンファム
舌平目の洋酒蒸 ボンファム
ローストビーフ
ローストビーフ
マロンシャンテリー
マロンシャンテリー

東京會舘
東京都千代田区丸の内3-2-1
TEL:03-3215-2111
URL:http://www.kaikan.co.jp/

銀座スカイラウンジ
銀座スカイラウンジ

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