2015/7/17

日本で行えるおもてなしハラル

料理人のためのハラルセミナー

2015年2月に実施された料理人のためのハラルセミナー。講師には、ハラルマネジメントコンサルティングのMHC株式会社より代表取締役アクマル・アブ・ハッサン氏を迎えた。
自身が日本に大学留学している際、飲み会に誘われても行きづらかったという経験があり、イスラム教の人たちにとって、今の日本は生活しにくい環境であると語る。そのため多くの学生は卒業したら帰ってしまうし、お客さんを接待したくても場所がない。
どうやったら楽しんでもらえるかをテーマに、講義は進められた。
 
世界18億人のイスラム教徒の内、約20%はASEAN地域に暮らしている。東南アジアからの訪問客は日本にとって、大きなビジネスの機会になると言う。純粋なハラルレストランを日本で展開するのはほぼ不可能に等しいが、ハラルメニューを作ることはできる。また、ハラル認証がなくても、ムスリムの人が働いていれば大丈夫だという判断基準にもなるそうだ。

彼が提案するのは、
(1)英語表記で情報を開示すること
(2)混在することを防ぐこと
(3)2名以上のハラル部署を立ち上げること
(認証は管理人がいないと取得できない。仕入れ、保管、機材などがハラル対応かどうかをチェックしなければならない)

それから、ハラル認証はパスポートに過ぎないということを認識しておく必要がある。認証を取ったから一気に客足が増える訳ではない。その後のマーケティングも不可欠だ。もしハラルラーメンができたら、食べたい人はたくさんいる。どんなものをハラルにするか、魅力のあるメニューの考案も目指していかなくてはならない。

最後に、実際にハラルフードを提供する、株式会社コシダカ ホールディングズの広報 江澤貴行氏が実情を説明した。全国に「カラオケ本舗 まねきねこ」を展開しており、2014年末に、日本初、唯一のハラル対応カラオケ店舗をオープンした。
店舗のリーフレットは表が日本語、裏が英語(ハラルメニューのロゴ入り)になっているが、日本人の一般のお客さんは通常のカラオケと捉えて利用されているようだと言う。

テレビ番組での紹介よりも、周辺のムスリムの人たちにまずは紹介したり、最初は招待して来てもらったり、SNSで拡散したりする方が有効だそう。
 
シンクやスポンジを分けたりと大変な部分もあるが、始めてしまえばそれほど負担にはならない。お箸を洗って使い回すことが嫌だと言う方もいるので、ちゃんと分けて洗っていることを伝えたりと、とにかく感想を聞きながら、きっちりと説明をしていくことが重要であると語った。
 

MHC株式会社
東京都新宿区四谷4-32-1 吉岡ビル3F
TEL:03-6869-1046

株式会社コシダカ ホールディングズ
東京都港区浜松町2-4-1
世界貿易センタービルディング23F
TEL:03-6403-5710


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