2014/03/20
フランス料理の「過去・現在・未来」
鎌田昭男シェフのレクチャーランチ
- 鎌田昭男シェフ
鎌田昭男シェフ
1965年、レストラン「クレッセント」「銀座日航ホテル」「帝国ホテル」などで修業。1971年に渡欧。1977年、六本木の「オー・シュヴァル・ブラン」の料理長に就任し、伝統的なフランス料理よりも軽くて繊細な“ヌーベル・キュイジーヌ”を日本で広める。1986年「ホテル西洋銀座」の総料理長に就任。先見の明を発揮しホテル内に本格イタリア料理店「アトーレ」をオープン。2001年、大型ホテル「東京ドームホテル」総料理長に就任、2008年、専務取締役総料理長に就任。
未来を予想するために、料理人は過去を学ぶ必要がある
フランス料理は変化している。目先の料理だけに飛びついていては、変化だけの料理しか学べない。時代の流れを見ながら料理を構成するためには、せめて1800年代後半のオーギュスト・エスコフィエからは頭に入れておいたほうが良いと思います。
現代は、野菜料理が主役にはならないけれど脇役でもないという存在になっていますね。私は20年前に「これからは野菜が主役だ」と言ったことがあるんですが、料理人もギャルソンも、お客さまも全然わかってくれなかった。でも絶対にそういう時代が来ると、自分の中で確信を持って準備をしていました。料理人にとっては、時代を読むことがすごく大切なんじゃないかなと思います。そのためには過去を学ぶことが必要なんです。
学ぶことは料理のプロとして当たり前。年齢は関係ない
人間はひたむきであることが大事。人に勝つ必要はない。自分に負けないことが大事です。どうしたらもっと美味しくなるんだろう? と毎日毎日考えていれば、必ず美味しい料理はできるし、先輩よりも上になれると思います。
高級なフランス料理レストランだから一流、安いラーメン店、カレー店で働いているから一流でないということは、絶対にない。どんなところにいても情熱や志を持って、自分の人生を渡って行くことが一流なんです。
自分が一番と思ったらおしまいです。世の中、上には上がいます。どこの国にも天才がいる。自分が一番なんてとんでもない。もし会いに行けるなら、直接行って学んでください。料理人はお金がなくても、美味しいものを食べて舌を磨くのです。
僕の場合は権力はいらない。ひたむきに学ぶことが好きです。常に傍らにオーギュスト・エスコフィエの本を置いて、身体が空いた時に読むと、何度も目を通しているはずなのに発見がある。本の構成がすごく勉強になります。
学ぶことは、料理のプロフェッショナルだから当たり前なんです。年齢は関係ない。明日も食べたくなる料理の創造、記憶に残る料理の創造を、これからも求め続けます。
~レクチャーランチの特別コースより~
明日も食べたくなる料理の創造、記憶に残る料理の創造を目指して
- マスカルポーネチーズとカリフラワーのカプチーノ仕立て
- 17種類の野菜とラングスティーヌのプレッセ、サフランクリームとトリュフヴィネグレット
- フォアグラのフランとポワベールのヴルーテ ヘーゼルナッツ添え
- ニュージーランド産仔羊のロースト バイヤルディーのクレピーヌ巻き焼きとポムダーファン添え
- ソーテルヌ酒のサバイヨングラッセ メロンスープとメロン添え
東京ドームホテル ダイニング「ドゥ ミル」
東京都文京区後楽1-3-61
東京ドームホテル6階
TEL 03-5805-2288