2012/10/19
「小豆島」手延べそうめん
香川県 高松リポート高松東急イン シェフ 反町 政広
小豆島手延べそうめん。讃岐うどんと並びたいへん美味しいものでした。この小豆島手延べそうめんは何故に風味・香り豊かなのかと申しますと、1に気候。そうめん作りの絶対条件として、寒く乾燥した風が必要なのです。これで、一気に麺を締め上げるからなんです。完璧に満たしていますね。オー寒ぶ~!! 2に塩。上質の塩がふんだんにあり使用できるからなのです。3に醤油の郷「小豆島」でご紹介した、ごま油を使用しているんですね!! 他のそうめん製造には、ほとんど綿実油を使用しているそうです。
ここ小豆島だけがごま油を使用しているんだそうですよ! また、ごま油は他のオイルと比べ、酸化しずらいという点も商品保存に一役買ってるそうです。
- そうめん館工場・門干(かどぼし)作業
- 天日干し・箸分け作業 付着した麺どうしを長い箸でほぐし乾燥させる
そうめんは、1束・長さ19センチメートル、50グラムで、360束・18キログラムを木箱に詰め出荷されて行きます。島で最盛期には、300軒前後あったそうめん工場が、今は180軒に満たない程になってしまったそうです。やはり島の高齢化が進んでいるんだそうです。そうめん工場を見学させていただき直に感じたことは、大変な重労働だということ。我々の職業もハードですが、そうめん作りはよりハード! 後継者もなく、高齢化により廃業せざるを得なくなった人が毎年増えてるそうです。我々消費者の立場から思う事は、伝統ある手作りの味と技を守り、伝えて行っていただきたいとただ祈るばかりであります。
ここでそうめん製造業者周辺の人達しか味わえない一品があることをお伝えしておきます。通称『ふし』と呼ばれているものです。そうめんのエンドカットとでも言えますか。そうめんは両端、干木にひっかけ、伸ばし乾燥させて行きます。そのひっかけ商品として出荷できないU字の部分を製造業者周辺のみなさんは、椀種やおやつとしてご家庭で召し上がるわけですね! 私も泊めて頂いたお宅でご馳走になりました。炙った蒲鉾入りで香ばしく『ふし』のコシとツルツルののど越しがたまらなくおいしかったですね~!
反町 政広 氏 プロフィール
1981年3月武蔵野調理師専門学校卒業、同年4月東京ヒルトンホテル入社。1984年1月ホテル改称・キャピトル東急ホテル、2007年11月キャピトル閉館で横浜エクセルホテル東急へ、2008年10月パンパシフィック横浜ベイホテル東急、2011年2月高松東急イン、2012年4月名古屋栄東急イン、現在に至る。