2012/1/10
初めてお客さんに出したオムライスは忘れない
グリル満天星 丸ビル店 斉藤慎也さん
- グリル満天星 丸ビル店
斉藤慎也さん
高校卒業後、何となく料理人を目指したという斉藤慎也さん。もともと食べることは好きだったが、明確な目標があった訳ではなかった。専門学校では和洋中一通りを勉強するが、特に興味があった洋食屋を就職先に選ぶ。幾つかのレストランを食べ歩く中、自分がやりたい洋食に一番近いと直感、グリル満天星の門を叩いた。入社して5年、今では当たり前のように全てのメニューを作り提供できるまでに成長したが、最初から簡単ではなかった。
「同期の方はどれ位いるのですか?」という質問の答えは、「ほとんどいなくなりました」というもの。入社しても半数以上は辞めてしまうという過酷な仕事だ。斉藤さんも入社してしばらくは、休みの日はひたすら寝るだけだったそう。しかし先輩の別所さんは「最近の若い子にしては、あり得ない位真面目で根性がある」と評価する。窪田シェフも「最初はなよなよしていてあんなので大丈夫か? と思っていたが、実は我慢強かった。時間が経つにつれそれが表れてきた」と言う。そして「韓国に行かせた後、顔がしまってきた。教える立場になることでより男らしく料理人らしくなった」と続けた。
- 左:別所さん 中央:斉藤さん 左:窪田好直総料理長
オムライスに込める思い
- 秘伝のデミグラスソース
名物オムライス
斉藤さんが入社して一番嬉しかった出来事に挙げてくれたのが、初めてお客さんにオムライスを出した時のこと。お客さんに出す前にまかないで出したオムライスには「こんなものが出せるか!」と散々文句を言われたから、感慨もひとしおだった。グリル満天星のオムライスには15品目の食材が含まれる。ベースとなるライスには9種類の野菜を入れて炊き込み、玉子にはエビやホタテが入る。一品でもできるだけ多くの品目が採れるようにと考えられたメニューだ。窪田さんがオープン当時から提唱する健康に配慮した洋食を、斉藤さんを始め現スタッフも引き継いでいる。
いつかは自分の店を
漠然と料理の世界へ足を踏み入れた斉藤さんだが、今では自分の店を出すという夢がある。「小料理屋でしょうか」と少し考えながら答えてくれたが、まだ恐らく試行錯誤の途中なのだろう。取材の日はお弁当の予約が大量に入っていて泊まり込みの翌日だった。「昨日から帰っていません」と言いながら爽やかに取材に応じてくれた斉藤さん。持ち前の粘り強さで、さらなるご活躍を期待しています!
●グリル満天星 丸ビル店
東京都千代田区丸の内2-4-1
丸の内ビルディング5F
電話番号:03-5288-7070