2010/3/31
Vol.15
村田眞吾 Shingo Murata
オニオングラタンスープ
椿山荘 総料理長
- オニオングラタンスープ
【材料】(20~30人前)
玉葱 | 2kg |
薄力粉 | 80g |
バター | 150~200g |
チキンブイヨン | 3.96? |
【作り方】
1. 鶏肉と野菜を入れて6時間かけてチキンスープを取る。一晩寝かせて、月桂樹の葉で匂いを飛ばす。
2.白皮タマネギを鋼の包丁でカットする。繊維に沿って切ることでえぐみや苦味が出ないようにする。
3.バターの上澄みのみで約2時間、飴色になるまでやさしく炒める(いわゆる「汗かき炒め」)。
4.前日に取ったチキンスープに、小麦粉を入れてのばしながら、約40分間粉くささがなくなるまで火を入れて、一晩置く。
5.オーダーが入ったら、メルバトーストにグリエールチーズを載せて提供する
【食材選び&調理のポイント】
1.タマネギには白皮、赤皮、茶皮と様々な種類があるが、オニオングラタンスープには、甘みが強い白皮タマネギを使っている。春から夏には新タマネギを使う。
2.チキンスープを取る際は、ガラのみだと匂いがあるので鶏肉、野菜を使う。
3.タマネギを炒める時は、鍋に押し付けたり、叩くと苦味や濁りが出てしまうので注意が必要。
- 村田眞吾
【メッセージ】
この料理は、私の師である上原正一郎氏から教えていただきました。上原氏は、「調理」と「料理」の違いについてよくお話しされていました。両方に共通しているのはおいしく作ることですが、食べる人の身体に優しい料理を作れる人が「料理人」なのだと教えられたのです。
タマネギは、西洋料理に欠かせない食材です。夏は夏バテ防止に、冬には風邪防止と、1年中私たちの身体に栄養をもたらす食材です。タマネギの滋味をじっくり味わえる「オニオングラタンスープ」は、横浜のホテルニューグランドの初代総料理長、サリー・ワイル氏が考案したメニューです。スイス出身のサリー・ワイル氏は、望郷の思いを込めて、スイスのグリエールチーズを使ったのです。
レストラン「カメリア」では、このスープをアラカルトで1800円で販売しています。ぜひ、召し上がりにいらしてください。そして、味の記憶を持ち帰り、ご自分でも挑戦してみてください。
【プロフィール】
昭和19年11月 千葉県千葉市生まれ
昭和39年3月 東邦医科大学付属高等学校 卒業
昭和39年4月 藤田観光(株)椿山荘事業所 入社 洋食課に配属
昭和58年7月 椿山荘レストラン「カメリア」料理長
平成11年9月 レストラン「カメリア」有明椿山荘店長兼料理長
平成14年4月 ベイサイドホテル アジュール竹芝総料理長
平成16年7月 椿山荘総料理長
平成21年1月 藤田観光(株)料理・料飲サービス指導部 総料理長
現在に至る
【受賞・資格】(一部)
昭和58年11月 世界料理コンクール 世界大会金賞グランプリ獲得
昭和59年10月 世界料理オリンピック ドイツフランクフルト大会 個人の部 銀メダル獲得
平成2年6月 エスコフィエ協会フランス本部「デシープル」認定 直弟子
平成4年11月 プロスペールモンタニエ協会「サントルチナオフシェ」称号受賞 宮廷料理人
平成8年11月 東京都知事表彰(最高技術者認定)
平成15年10月 シェーヌ・ド・ロティスール協会よりロースト職人の認定を受ける
平成15年11月 文化庁より食生活文化賞銀賞受賞
平成21年5月 (社)全日本司厨士協会より西洋料理最高技術者金賞を受ける
椿山荘 フランス料理「Camellia(カメリア)」
前身の「グリル」から合わせると半世紀以上もの間、愛され、親しまれているフランス料理「カメリア」。フランス料理の父と呼ばれる、オーギュスト・エスコフィエの哲学を礎にした、椿山荘オリジナルの味とスタイルを大切にしています。
ダイニングルームの高い天井まで広がる大きな窓からは、庭園の山の造形美と建立約500年の三重塔を間近に鑑賞いただけます。また、段々畑上に配された6つの個室からは、それぞれ異なる庭園の風景をお楽しみいただけます。シェフたちは、季節はもちろん、その日の天気やお客さまの雰囲気に合わせて、食材や調味料の加減を変えながら本格フランス料理の腕を振るいます。
営業時間/ランチ11時30分~15時(LO14時)、ディナー17時~22時(LO20時)、個室11時30分~22時(LO20時)客席数/ダイニング16卓40席、個室6部屋
電話03-3943-5489 (受付時間)9時~21時
椿山荘 〒112-8680 東京都文京区関口2-10-8 電話03-3943-1111(代表)
http://www.chinzanso.com/
- フランス料理「カメリア」
フォーシーズンズホテル 椿山荘 東京
イタリア料理「Il Teatro(イル・テアトロ)」
イタリア南東部バーリ出身のレオナルド・ディ・クレメンテ氏がエグゼクティブ・シェフを務める、格調高いイタリアンダイニングとして人気が高い「イル・テアトロ」。ホテル3階に位置し、椿山荘庭園の美しい眺めと本格的なミラノ料理をお楽しみいただけます。ヨーロッパ風の装飾とベネチアグラスのシャンデリアを配したエレガントな内装で、店内には各種会合に最適なプライベートダイニングルームを2部屋ご用意。朝食、ランチ、ディナー営業をし、年間を通じて、イタリア各地のフェスティバルを祝う特別メニューをご用意しています。
営業時間/モーニング 6時30分~11時、ランチ12時~14時30分、ディナー 17時30分~22時 客席数/104席 電話03-3943-6936
フォーシーズンズホテル 椿山荘 東京
〒112-8667 東京都文京区関口2-10-8 電話03-3943-2222(代表)
- イタリア料理「イル・テアトロ」