2009/10/1

Vol.9
熊谷喜八
Kihachi Kumagai

アイビー株式会社 最高顧問
株式会社フードアトリエ代表取締役

はちきん地鶏のチャイニーズ風ロースト
Rôti de volaille façon chinoise


はちきん地鶏のチャイニーズ風ロースト
はちきん地鶏のチャイニーズ風ロースト

材料 分量
小さめのはちきん地鶏(骨付きのままタテに2つ割りにする) 1羽
<調味液>
400cc
醤油 120cc
たまり醤油 200cc
60g
砂糖 80g
八角 5~6ヶ
生姜のスライス 3~4片
オレンジの皮 1/2ヶ分
タカの爪 6~7本分
クローブ 小さじ1/3
黒粒胡椒 小さじ1/3
好みの付け合わせ 適宜

(作り方)
1.調味液の材料をすべて合わせ、鍋に入れて一煮立ちさせる。この中に用意した鶏を入れ、5分間茹で、火を止めて15分間浸しておく。その後、網の上に乗せ、表面が乾くように風を当てながら30~40分間乾かす。
2.少し大きめの鍋に多めの油を入れ、温める。骨を鍋側に当て、レードルで熱くなった油を頻繁にかけて、こんがりと飴色に焼き上げる。
3.骨を外し、付け合わせと共に盛り付ける。好みで山椒塩等を添える。

シェフから一言

土佐はちきん地鶏は、元々、山の上でベビーリーフを作る農園をしていたがうまく根付かず、温室の再利用として飼育が始まった鶏です。さまざまな鶏を掛けあわせて、ブレス産の鶏のようにふっくらした身質と皮がおいしい鶏ができました。
今回の調理法のアイデアは、香港のノースポイントのハト料理専門店からヒントを得ました。1日に2000~3000羽売れている人気店で、私も丸のまま2羽食べましたが、そこで味わった調理法で作ってみました。そのまま食べても、好みで塩をつけてもおいしいです。

※参考
四国のほぼ中央に位置する高知県大川村で飼育される「土佐はちきん地鶏」は、80日以下の飼育で3kgに育つ地鶏。コーチン系の土佐の地鶏「土佐九斤」と「大軍鶏」をかけあわせた「クキンシャモ」の雄に「白色プリマスロック」の雌を交配させて誕生した。余分な脂がなく、あっさりとした味わいが特徴。
問い合わせ先:(社)大川村ふるさとむら公社 TEL0887-84-2201

グリーン・トマトジャムのミルフィーユ
Mille-feuille à la tomate verte

グリーン・トマトジャムのミルフィーユ
グリーン・トマトジャムのミルフィーユ

材料 分量
パイ皮(冷凍生地でよい) 2枚
A
グリーントマト(ヘタを除き、フードプロセッサーにかける) 300g
グラニュー糖 90g
アスコルビン酸 3g
B
マスカルポーネ・チーズ 100g
生クリーム 200g
コンデンス・ミルク 20g
飾り用に粉糖 少々
プラリネの粗切り 少々

(作り方)
1.パイ皮は厚いままタテ長に3mm厚さに切って、中温のオーブンで焼き上げる。色付いてきたら火を弱め、網を下に置き、パイをこんがりさっくりと焼きあげる。
2.Bをボウルに入れ、氷を当てながら8~9分立てにする。
3.Aのグリーントマト、グラニュー糖、アスコルビン酸を鍋に入れ、ジャム状になるまで煮る。
4.1、2、3が冷えたら、1のパイに3のグリーントマトのジャムを絞り、その上に2のマスカルポーネ・クリームを絞り、プラリネを散らす。

*グリーントマトの刻んだものに砂糖を加え、しばらく置くと水分が出る。この水分は別鍋で煮詰め、全体に混ぜ合わせる。

シェフから一言

日本の農業を元気にするために、規格外の青いトマトのような野菜を扱っていきたいと考えています。青いトマトだからこそ、おいしい料理もあります。中南米には青いトマトのサラダがあるし、アメリカのグリーンサルサソースもグリーントマトでないと作れません。今回は、グリーントマトの酸味を生かしたジャムを作りました。マスカルポーネチ-ズとの相性は抜群です。

プロフィール
熊谷 喜八(くまがい きはち)
1946年 東京生まれ
銀座東急ホテルを皮切りに、セネガル、モロッコ日本大使館料理長に就任後、渡仏。パリの「マキシム」、「パヴィヨンロワイヤル」で研鑽を積み、その後当時ジョエル・ロブション氏が率いていた「ホテル・コンコルド・ラファイエット」でセクションシェフを務める。 帰国後、東京・高樹町「シルバースプーン」料理長、神奈川・葉山「ラ・マーレ・ド・茶屋」の総料理長を務め、1987年、「KIHACHI」をオープン。 フランス料理をベースに、からだに安全で美味しいものにこだわった、ジャンルにとらわれない日本発の洋食としてKIHACHI流無国籍料理を生み出す。

フランス アルパッジョン料理コンクールにおいて、プロスペールモンターニエ杯 日本人として初受賞
フランス アカデミーキュリネール日本支部正会員となる

日本エスコフィエ協会会員
レ・ザミ・ドゥ・キュルノンスキージャポン会員
全日本司厨士協会東京港支部会員
日本フードコーディネーター協会顧問
全日本洋菓子工業会監事
(2009年8月現在)

「キハチ 銀座本店」
フレンチをベースに、からだに安全でジャンルにこだわらないキハチ流無国籍料理の店。1階はカフェ&バー、2階はレストランと様々な目的で使用できるのも魅力。毎月、熊谷喜八のグルメサロン(料理教室)も開催している。

キハチ 銀座本店 1階 カフェ&バー
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座2-2-6
TEL 03-3567-6284
営業時間 月~土 11:30~22:00(L.O.)/日 11:30~21:00(L.O.)
定休日 無休

キハチ 銀座本店 2階 レストラン
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座2-2-6
TEL 03-3567-6281
営業時間 [ランチ]11:30~14:30(L.O.)[ディナー]18:00~21:00(L.O.)/日 18:00~20:00(L.O.)
定休日 無休

グルメサロン(料理教室)
電話番号 03-3567-6291
受付時間 月~金 10:00~18:00
http://www.kihachi.jp/

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