2009/8/25
『いま、生きる力』
岡本敏子著 青春文庫 514円(税別)
人生、晴れの日も雨の日もある。雨が降らなければ、作物の実りがないように、人間も同じだ。悩んだり、迷ったりしながら、心が豊かになり、やがて自分の歩むべき道を見つけていく。
・・・そんなこと分かっているけれど、どうしても心身に力が入らない、という時、この本をお薦めする。
目をぎょろっとひんむいて「芸術は爆発だ!」というせりふを発する姿や、太陽の塔で有名な岡本太郎氏。岡本氏の養女として入籍した岡本敏子さんが書いたこの本は、雨の日の私たちにパワーを与えてくれる。自分の人生に嵐を巻き起こしたくなる。
「この瞬間がすべて。たるんでなんかいられない」、「生きる、それは創るってこと!」
「毎日、同じことの繰り返しで、仕事は面白くないし、自分を輝かすことなんて出来ないと嘆いている人。同じなんて、絶対にあり得ないはず。自分も、昨日の私とは違う。お天気だって、空気だって違う。」(以上文中から抜粋)
創るというのは何かを生み出すだけでなく、人にほほ笑んだり、人をほめることも含まれる。人と人との生身のコミュニケーションでしか創作物は生まれない。
そして、私たちが生きていく上でエネルギーとなる恋愛や結婚について語られる。最近増えている草食系男子へのメッセージも込められている。同時に強くなりすぎた女性への柔らかな批判も描かれている。
「岡本敏子」という、社会的な束縛から自由だった女から見た男の魅力や色っぽさについても触れられているから、イイ女にモテたい男性は、ぜひご一読を。読み終えた時、自分の周囲の家族や恋人を愛おしく思う気持ちが生まれ、自分の人生に対して、とにかく行動を起こしたくなっているはずだ。