Vol.6
仲谷　友宏
Tomohiro Nakatani

ホテルパシフィック東京
フレンチレストラン「boeuf d’Or（ブフドール）」料理長

《材　料》4人分

《作り方》
1. マグロは表面のみ網焼きにする。
2．ホタテ貝は岩塩と三温糖を3対2の割合で混ぜたものに約5分漬け、氷水で洗ってぬめりを取り、炙る。
3．オマール海老はヴァプールし（蒸し）、胴はメダイヨン（楕円状）、爪と腕は形よくカットする。
4. バニラビーンズをEXオリーブオイルに浸し香りづけし、白ワインビネガー、エシャロット、白バルサミコ酢、フランボワーズ酢でヴィネグレットを作り、マンゴーのブリュノワーズ（1～2mm角に刻んだもの）とキャヴィアを合わせる。
5. ホタテ貝、オマール海老、マンゴー入りヴィネグレット、マグロの順に重ねる。
6. マンゴーピューレとマンゴヤン（マンゴーリキュール）を合わせたソースをあしらい、 ブーケ・ド・エルブ（香草ブーケ）と生クリームにレモンを加えたクレーム・エーグル（サワークリーム）を飾る。

料理はまず目で見て、香りを嗅いで、そして舌で味わうもの。
大切なことはお客さまに期待感を持たせることです。
今回ご紹介するオードブルは、フルーツの酸味が夏にぴったりな一皿。
マグロは火を入れすぎずにしっとりとした食感に仕上げ、フルーツとの相性を大事にします。期待感を高める盛り付けのコツは、立体感と彩りです。
マンゴーやフランボワーズの甘い香りには、ラングドックの赤ワイン、シャトーヴィニョローがよく合います。

お客さまから「ありがとう」と言っていただけるこの仕事が、私は大好きです。
何度も試作を繰り返し、料理人以外の方の意見も取り入れながら、メニューを完成させます。
先達が書かれた本を読んだり、レストランで食事をしたり、街にあふれている様々な情報をキャッチしながら、自分なら皿の上にどのように表現するか考えるのが、料理を創ることだと思います。当店は高齢のお客さまも多いので、直接お話ししながら、お客さまのご要望に応じたボリュームでご提供し、喜んでいただいています。
毎年、フランスから料理人を招へいしており、新しいフランス料理の流行を取り入れつつ、伝統も大事にしていきたいです。

1954年　大阪・浪速区出身
1972年　大阪・あべの辻調理師専門学校卒業
1980年　渡仏。「ラ・ペローズ」、「ジョルジュ・ブラン」、「ミシェル・ロスタン」などの2つ星、3つ星シェフに学び、89年帰国
1992年　ホテルパシフィック東京に入社
1998年　ホテルグランパシフィックメリディアン「エピス」料理長に就任
2004年　ホテルパシフィック東京「ブフドール」料理長に就任。現在に至る

東京・品川のパシフィックホテル東京最上階に位置するフレンチレストラン「boeuf d’Or」。
店名は、boeuf「牛」、d’Or「黄金の」で「黄金の牛」の意。
天空に浮かぶ飛行船をイメージして設計された店内からは、眼下にすばらしい光景が広がる。夜はシックな大人の空間の中、ピアノの生演奏でくつろぎのひとときをプレゼント。
料理は、伝統的なフランス料理の調理法に仲谷友宏シェフの繊細な感性が散りばめられた本格フレンチ。
ワインセラーには、ソムリエのセレクトを待つワインが、フランスを中心に、イタリア、ドイツ、カリフォルニア、日本など300種類取り揃えられている。
レストラン入口にはワインバー「プティ ブッフ」もあり、小皿料理と共にワインが気軽に楽しめる。
席数90席（テーブル席70席、個室20席）

（すべて税・サービス料込）
ランチ：Petit cadeau　2,800円～
ディナー：menu rouge　11,550円～
（menu rouge は毎週水曜日、女性に限り15名様限定で5,775円。要予約）
※フルコースで360kcal、塩分2.2gの「知食」コース（12,000円）で高齢者や食事療法が必要なお客さまにも対応している。

ホテルパシフィック東京　フレンチレストラン「ブフドール」
東京都港区高輪3-13-3ホテルパシフィック東京30階　TEL：03-3445-0876
http://www.pacific-tokyo.com