2008/2/1
Vol.3
坂井 宏行
Hiroyuki Sakai
フランス料理店 ラ・ロシェル 店主
昔ながらのハヤシライス
- 『坂井宏行が提案する大人の厨房』(近代映画社)より
≪材 料≫ 4人前
玉ねぎ 2ケ
マッシュルーム 4ケ
デミグラスソース 400cc ※作り方は下記参照
赤ワイン 400cc
牛ロース肉 200g
塩・胡椒 適宜
パプリカ 適宜
小麦粉 適宜
サラダ油 適宜
バター 適宜
ブランデー 適宜
ごはん 適宜
生クリーム 適宜
《作り方》
1.赤ワインは半量になるくらい煮詰める。
2.玉ねぎ、マッシュルームは薄切りにし、サラダ油で炒める。
しんなりとしてきたら煮込み用鍋に移す。
デミグラスソース、(1)の赤ワインを加える。
3.牛ロース肉は拍子切りにし、塩、胡椒、パプリカ、小麦粉をまぶす。
フライパンにサラダ油、バターを入れて牛ロース肉を炒める。
更にブランデーでフランベし、(2)の鍋に入れる。
4.お皿にご飯をのせ、(3)のソースをきれいに盛り付ける。
ホイップした生クリームをのせて出来上がり。
≪デミグラスソースの材料≫ 約25人前
牛スジ肉 1kg
鶏ガラ 0.5kg
にんにく 1片
玉ねぎ 2ケ
人参 1本
セロリ 2本
ポアロ葱 1/2本
トマトペースト 90cc
バター 150g
小麦粉 150g
赤ワイン 300cc
水 8リットル
《デミグラスソースの作り方》
1.牛スジ肉、鶏ガラをオーブンで焼く。(180?で約30分)
2.にんにく、玉ねぎ、人参、セロリ、ポアロ葱は好みの大きさに切る。
フライパンにサラダ油をひき、にんにくを炒める。
香りが出てきたら玉ねぎ、人参を加える。
更にセロリ、ポアロ葱を加え、水分がなくなるまで炒める。
3.トマトペースト、バター、小麦粉を加え、粉気が飛ぶまでじっくりと炒める。
赤ワインを加えて、煮込み用の鍋に移す。
4.(3)の鍋に(1)の牛スジ肉、鶏ガラをいれ、水を加える。
アクを取りながら 約3時間 煮込み、シノアで濾す。
(木ベラで叩くようにシノアに押し付け、丁寧に濾す。)
5.濾したソースを 再度、鍋に入れ、半量になるまで煮詰める。(2~3時間)
更に一晩ねかせて出来上がり。
伝えたい一皿
ムッシュ坂井の修行時代の思い出を伺うと「時間のかかるデミグラスソースをいつもいつも作っていたことかな。」とのお返事。
「その修行が今の自分につながっているのだと思うし、デミグラスソースのような基本を知らないと料理のアレンジは出来ない。何事も基本を丁寧に学ぶ事が大切なんだよ。」
その言葉の意味を託したルセットが「昔ながらのハヤシライス」。料理の原点である「デミグラスソース」を大切にした一皿だ。
ムッシュ坂井は、「基本を知ること、学ぶこと」といわれたが、 知るということがルセットを頭で覚えることではなく同じ仕事を何度も繰り返して自分の五感を通して身につけることであり、その大切さを次代のシェフにも忘れてほしくないという思いを伝えるルセットです。
プロフィール
1942年 | 鹿児島県に生まれる。 17歳でフランス料理の世界に入り「ホテル新大阪」で修行を始める。 19歳の時、単身オーストラリアに渡り「ホテルオリエンタル」にて力をつける。 1年半の修行の後、帰国。 |
1963年 | 銀座「四季」にて、3年間修行。 フランス料理の先駆者的存在だった志度藤雄の指導を受ける。 その後、青山「ココ・パームス」、「西洋膳所 ジョン・カナヤ麻布」にてシェフを務める。 |
1980年 | 38歳にて独立。 南青山に「ラ・ロシェル」をオープン。 オーナーシェフとなる。 |
1994年2月 | フジテレビ「料理の鉄人」に出演。 |
1999年2月14日 | 「ラ・ロシェル南青山」をオープン。 9月にフジテレビ「完全なる料理の鉄人」で最強鉄人になる。 |
2002年9月6日 | 「ラ・ロシェル福岡」をオープン。 |
2005年 | フランス共和国より農事功労賞「シュヴァリエ」受勲。 |
フランス料理店 ラ・ロシェル 店内
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次回も、素敵な一皿をご紹介いたします。お楽しみに。