2015/6/2
築地市場と幕末のフランス料理人伝説
日本のフランス料理の父 ルイ・べキュー /渋谷支部見学会から学ぶ
渋谷支部は5月20日、6月2日と2回に分けて、来年なくなってしまう世界の築地市場の見学と鯛の神経抜き、そしてさばき方実習を行ってきました。今回ご協力を頂きました(株)共同水産様、(株)熊梅様、他多くの見学箇所でお世話になりました関係者の皆さまに感謝申し上げます。
1築地市場のあらまし
(1)東京だけでなく、関東近県にも及ぶ供給圏を持つ、日本最大の市場である。とくに水産物は世界一の取り扱い規模である。
(2)その品目は水産物で約480種類、青果物で約270種類と豊富である。
(3)1年あたりの取り扱い数量および金額は、水産物で、483,950トン、4,217億3千万円。
1日当たりでは、1,780トン、15億5千万円となっている。(平成25年実績)
(4)1日の入場者数は約42,000人で場内では、年間140件の交通事故が発生している。
平成26年度の築地市場 魚種別取り扱い実績 ベスト10!
<種類> <数量> <金額>
1 その他鮮魚類 3万7,051トン 152億
2 冷凍まぐろ類 3万1,105トン
3 ぶり類 2万9,630トン
4 冷凍さけ・マス類 2万3,707トン 232億
5 その他冷凍魚類 2万2,115トン 129億
6 アジ類 1万5,660トン 110億
7 たい類 1万1,568トン 69億
8 いか類 1万1,173トン 13億
9 まぐろ類 9,676トン
10 冷凍えび類 9,123トン
まぐろ・冷凍まぐろ類取り扱い実績 ベスト5!
1 冷凍めばち 2万3,196トン
2 冷凍ほんまぐろ 3,443トン
3 鮪(国内) 3,435トン
4 冷凍インドまぐろ 3,254トン
5 めじまぐろ 1,521トン
2、沿革
(1)大正12年9月1日に発生した関東大震災によって、民営の日本橋魚市場が焼失したため、復興事業として昭和9年9月に仮営業を開始したが、その後昭和12年に日華事変が起き、これをきっかけに仲買人制度を廃止し配給機関に変わるなど変化した。
(2)戦後の復興では昭和25年から仲買人制度が復活し、市場機能が回復。昭和30年となると 飛躍的な取扱量となり、施設の整備事業に着手するまでになった。昭和60年代になって施設の老朽化、過密化が著しくなったため、再整備事業を推進し、勝鬨門に駐車場を建設するなど、したが、平成11年11月、現在の地区での再整備は困難とされ、豊洲に移転が決まった。
(3)豊洲新市場の平成27年度中に竣工を目指し建設中。
平成25年土壌汚染、地下水汚染対策工事が完了した確認を受け、26年2月な工事着手。
生鮮食料品を扱う市場として食の安全・安心を高いレベルで確保し、50年先まで見据えた新たな首都圏の基幹市場とする為の整備が始まっている。
3幕末の築地ホテルと日本初フランス人シェフ、ルイ・ペギュー ペリー来航を期に幕府は外国要人を迎えるためにホテルを至急建てる必要に迫られた。そこで、築地に建てることになった。完成は奇しくも明治元年。規模は2階建て(一部3階建と平屋からなり、1620坪、間口78m、奥行き61,5m、客室102室、水洗トイレ、ビリヤード シャワー室、バーも備えられていた。設計はアメリカ人のリチャード・ブリジェンス。建設計画を企てたのは幕府の要人・小栗上野介であった。小栗は財政難の中、「民間でこれを経営するものがあれば、土地は幕府が無償で貸し、利益は経営者のものにしてよい。出資者を募り出資金に応じて分配する」と今の株式会社の原型を考え、これに乗ったのが清水組(現清水建設)2代目清水喜助であった。オープン当時、マネージャー初め要職はすべて外国人であった。料理人は当時西洋人の間では名声があった横浜外国人居留地の「オテル・ド・コロニー」のオーナーの甥ルイ・ペギュー氏に白羽の矢が立った。しかし、国の威信をかけて創った西洋式ホテルであったが、築地は想定していたようには発展しなかった。そして明治5年海軍の手に渡った。現在の駐車場あたりがその土地で、岸壁沿いのアール状に建てられた棟(現在仲卸会社の事務所)は海軍時代の名残りである。 ルイ・べキューはその後、明治7年に横浜グランドホテルの初代料理長に就任。その後神戸で独立するも失敗。明治19年にマダムと共に歴史に残る名店「レストラン・フランセ」を開業。 後に「オリエンタルホテル」と改名し、同時期に開業した「東の帝国、西のオリエンタル」と名声をあげる。べギューは明治29年フランスへと帰っていく。日本のフランス料理の父である。
これは、関塚康男元東京都司厨士協会会長が現在会長をされています日本の最高料理人が集う八重洲会が発行、40年間日本の料理業界において食文化交流に携わる伊藤薫氏著「日本のフランス料理人伝説・魯里人」第1巻「築地ホテル」に記されている文章を引用しております。この本は伊藤氏が10数種の料理歴史文献とご本人の取材からできたとても解り易く、回想録を交え、楽しいタッチで描かれた小説型になっている全3巻です。またフランス本国での取材写真(著名シェフや料理)などが満載された別冊もあります。フランス料理を愛する者、引き継ぐ者としては必見です。
発行所:株式会社エービーシーツアーズ
03-5876-3080
1巻 1,470円(税込)
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- 早朝6時 遅刻はいないね!
- 先ずは仲卸会社の鰤の出荷作業
- 滅多に入れないマグロの競り場
- ここ魚場も普段は入れません。
- 粋のいい真鯛と格闘!頭と尾っぽの神経抜きに挑戦!
- あら~。兄さん女の子には手取り足とり?
- ここでちょっとお味見タイム。まいう~!
- 神経抜き体験させてくれた熊川三代目。
- マグロの目利き人より、見分けのワンポイントレッスン!
- 尾の状態がそのまま魚体を表す。脂の乗りと赤身の見極め。
- ペギュ―さんが居たホテルの跡地から旧海軍のアール状建物を望む。
- もうすぐ無くなる場内全景。
- 神経抜き体験した人は、慰霊碑に手を合わせて供養を忘れずに。
- 活気の裏に静寂な波除神社
- 真鯛1匹お土産付と刺身定食で、「早起きは3千円の特!!」