2015/1/25
東京會舘・鈴木料理長の「早春のとちぎ路」
とちぎ食材を使った試食会レポート
栃木の豊かな自然と生産農家のたっぷりの愛情で育成、栽培された とちぎ和牛、栃木の育成品種米「なすひかり」と新品種イチゴ「スカイベリー」のご紹介を兼ねた賞味会を開催しました。今回は、栃木県の一押し3品種の魅力を生かした日本料理を召し上がっていただきながら、栃木食材の可能性などを生産者さんとともに懇談していただくことを目的としました。
当日は、日本料理で平成25年度の現代の名工を受賞された・東京會館の鈴木直登料理長のご協力により、栃木食材の魅力を存分に味わっていただくお料理をご賞味しました。
《料理人紹介》
■ 日本料理「東京會館・八千代」 和食総料理長 鈴木直登氏 (Naoto Suzuki)
1953年新潟県生まれ。1974年より東京會館「日本料理 八千代」に勤務。「現代の名工・江戸の名工」として江戸料理の研究などでも活躍。2012年には、東京會舘創業90周年を記念して伝統的な関東のおせち、四季折々の節句料理を解説した料理本「東京會舘 おせちと節句料理」を出版。老舗にひきつがれた料理と技・仕事を通して日本の伝統を次代につなぎ、日本の食文化と日本人の心を伝える料理人。
■ 開催日時:2015年1月22日(木) 11:30~14:30(受付 11:15)
スケジュール 11:30~12:00 栃木の食材のご紹介と鈴木料理長による献立紹介
12:00~14:00 料理の賞味会&「生産者」との懇談
14:00~14:30 食材や料理に関する質疑応答など
■ 会 場 :『東京會館』 日本料理 八千代
<早春の栃木路>
献立
一、三大美人 小町葱・・塩と昆布だしで煮た白美人ねぎは上品な和の味。
白美人葱」 楊貴妃葱・・葱油を効かせたパンチのある4千年の味。
葱クレオパトラ・・エシャロットを煮詰めた古典料理
クレオパトラ風のエシャロットの代わりに・・・但し冷製。
一、街道 日光街道・・クリーミーな日光湯葉の源は徳川家のお好みに由来する。
「独活」 篠独活・・暗い倉の中で、独りでのびのびと活きて行くのが独活。その根性で大きくなるのがうどの大木なのだ。
「かき菜」 かき菜八幡巻・・お浸しのかき菜をとちぎ和牛で巻き上げ醤油で煮る。
菜種白魚・・白魚がなんとも甘い。
真砂子烏賊・・日光街道を旅した「奥の細道」に由来する真砂子。
一、鬼怒川 薬喰い やくみ・・江戸料理は長崎卓袱料理が源流。血抜きしたレアの「牛すね」 牛細切肉を浮かべた吸い物。
一、お花畑 春野菜昆布〆 油・醤油・・春は苦味、夏は葉物、秋は土、冬は太陽
「春野菜」 季節の野菜を知ることは大切なこと。彩りよい野菜と旬の刺身。
一、精進 ちじみ連草 しゃぶしゃぶ・・・甘いて味わい深いち「じみほうれん草」 ちじみほうれん草は今が旬。とちぎ和牛ロースと共に。
一、和夢 色煮なすび 卸し生姜・・・銅鍋で色変わらず!科学の作用を利用するのも調理。
「とちぎなす」色艶よく、アクもなく。「俺はこう思う、お前はそ うか?それがアク!
一、那須光 にぎり野菜・・・江戸前のお遊びの心。お野菜のにぎり寿司。
「とちぎ和牛」
一、水菓子 ストロベリー・・・ストローのような茎がついてないとストロベリーと「スカイベリー」とは言えない (笑)が、今回登場のスカイベリーは大きさ、美しさ、おいしさが大空に届くような素晴らしさを意味して、地元ほどの大きさ。いちごの食べ方は2通りあって、最初に茎の方の酸っぱい方から一口、そして先っぽの方の甘味で終わる。それとこの逆の順番での食べ方である。
現代の名工・鈴木料理長の文学的な献立に参加者一同舌鼓を打つ試食会となりました。
東京會舘・八千代のスタッフの皆様、そして栃木県関係者、生産者の皆さまありがとありがとうございました。
「今回のことがキッカケでとちぎの食材を使ってみようと思います」と参加した女性料理人達も応えていました。参加者の皆様ありがとうございました。
(広報渉外部・小濱)
- かき菜ととちぎ和牛の八幡巻も味わい良く
- 旬の刺身と早春野菜
- 牛すね肉もレア―で椀物に
- 三大美人と白美人ねぎ料理
- 梅を効かせた大根の柔らか煮
- 茄子の変色防止にひと工夫
- 付合せの人参にも細工あり
- 粒しっかりした「なすひかりはお寿司にももってこい!
- 大きなスカイベリー
- スカイベリーをてにする鈴木親方
- ストーリーある献立に皆さん興味深々