2009/7/8

埼玉県小川町の有機農場見学で
農家の方々の苦労に触れる

中央支部主催

6月23日、中央支部による農場見学会が、業務用青果・果実総合卸売の持丸食品様の協賛により行われた。参加者12人はバスに乗り、埼玉県小川町へ有機農場見学に向かった。小川町では1970年代に有機農業を始め、小川町有機農業生産グループを結成し、現在、全農家のうちの1割が有機農業を手掛けている。小川町は夏暑く、冬は零下10?までになるメリハリのある天候で農業に適しているそうだ。
まず、同グループに所属する田下隆一氏、三枝子夫妻が農場主を務める風の丘ファームへ。風の丘ファームでは、研修生を含め12人で農薬や化学肥料を使わずに年間70品目の野菜を作っている。家畜の糞尿や地元豆腐屋のおから、野菜くずを発酵・分解させ、ファーム内にあるバイオガスプラントで発生させたガスを家庭用燃料に、分解後の液体を液肥として利用している。有機物の循環利用にとどまらず、エネルギーの自給に取り組む様子に参加者は感心した。野菜の収穫は朝5時30分に始まり、11時には関東、関西の飲食店に向けて出荷される。参加者はズッキーニの実、レッドアンデス、コリンキー(生食できるカボチャ)などが生育する様子を見て感慨深げだった。
次に同グループ販売部代表を務める横田茂氏の農場へ。子供のアレルギーをきっかけに有機農業に取り組み始めた横田氏は現在家族3人で農業に従事している。数種類のトマトを生育しているハウスの中に入ると、参加者から「この匂い、昔の畑ではよくしたよ、懐かしい」との声が。「今年は雨が多く、病害虫だけでなく害獣にも苦労している。数年前と比較しても確実に温暖化の影響があります」と横田氏は語っていた。青山在来大豆、インゲン、キュウリをお土産にいただき、同グループの野菜を使用している「晴雲酒造・玉井屋」で昼食を取った後、「とうふ工房わたなべ」へ。休日には店前の道路が渋滞になるほど人気だという同店で青山在来大豆を使った豆腐などお土産を買って帰路に着いた。厳しい自然に立ち向かいながらも信念を持って農業に従事する農家の方々の姿を間近で見て、生産者と食材への感謝の気持ちが芽生えた見学会だった。


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