2008/1/28

渋谷支部 新潟県山古志村ボランティア
TokyoCooksAssociation&Chef's club

新潟県中越地震被災地 山古志の復興を願って

2004、10月23日 17:56発災。 山古志千年に続く日本の美しい風景が・・・。トンネルは崩壊し、国道は分断され、一瞬にして人々の平穏な生活が奪われる。避難勧告から3年目に入る。2007年春、やっと自分達の本当の学校に帰れる。間借りしていた学校の新しい友人達にも励まされ、感謝の気持ちを大切にしながら山古志小中学校は再開した。

~仮設校舎から山古志の新校舎に引越しの日のことです。学校は休校日としましたが、多くの保護者の方と生徒達が自主的に清掃作業や物品移動作業を手伝ってくれました。こびりついた汚れも四つん這いになって懸命に磨き、ピカピカになりました。作業が終わり、仮設住宅に住む2年生の生徒が、「家に帰るバス代が足りないので、歩いて帰ります」と言って玄関を出ようとした。その距離11キロである。「送っていこう」と言うと「ありがとうございます。でも歩くのが好きだから」との言葉が返された。近くにいた3年生が「付き合うよ」と言って立ち上がり、仲良く一緒に帰りました。~ 小林晃彦校長の手記である。

 11月20日、初雪の心配をしながら支部の仲間達が東京に集まる。日頃付き合いのある者もいれば、勿論初めての方も多い。このボランティア活動は3年目になるが、目的は「食」の大切さ、楽しさを伝え、奉仕すること。そしてもう一つに我々の後ろ姿を見て、料理人である前に人として、社会奉仕の精神、健全な心を若い方々に引き継いでほしいという思いがある。嬉しく思うのは、多くの若い方々が自主的に参加してくれた事と打ち合わせも途中の車中での説明とA4の指示書3枚だけでスムーズに動き、手際よく出来たことである。これは気持ちが一つになっているからであろう。日常の職場でも気持ちが一つになることは実は難しい。今回は、山古志小中学校の総合学習として授業の一環で行うことになった。まず、小学校1年生から4年生の24人には、ショートケーキ作り。5・6年生にはミネストローネスープとニョッキ作り。中学生全員47人には「山古志体験レストラン」と題して、当支部支部長吉野好宏氏と香川栄養専門学校大塚智征氏の料理人の道を選んだきっかけ、辛い修行時代の乗り越え方、一流を目指す向上心などヨーロッパ生活などの体験談やエピソードなどを交えながら、進路に悩むみんなに熱いメッセージを贈った後、お客様とサービスをする班に分かれて交互にフランス料理のテーブルマナーとサービスマナーを体験した。メニューは山古志の食材を使ったフルコースを楽しんでもらった。


M E N U                         

やまこしモロコのエスカベッシュ、有機サラダを添えて    
Escabeche de yamakoshiーmorokoau salade    

やまこし栽培ヤーコン入りのミネストローネ
Minestron aux cultiver yamakoshi

"ときどき鉄人のスペシャリテ”
ラングスティ―ヌのクルジェット包み ソース コキアージュ 
Langoustine roulet de crougette sauce cocquiage

ローストビーフ山古志菜園のキッシュ添え グレビーソース
Rote de boeuf a la jardin yamakoshi

パン,オリーブオイル,水,
pain,exv-olive,eau,           

クレームブリュレ と 長野の木熟アップルパイ
Creme brure et tarte aux pommes                 



翌日は、市の施設「なごみ苑」で地域のご婦人方に山古志ならでは提案の料理教室を行った。和食は「分とく山」野崎洋光氏の「もろこ汁」中華は「龍の子」安川哲二氏の「かんらんホイコーロ」西洋料理は「東京ドームホテル」鎌田昭男氏の「白身魚のかんらんロールソテー」「かぐら南蛮のタバスコ」を披露。本人らのルセットに基づき、代役の私たちがデモンストレーション。そして、みなで実習。中々上手に楽しく出来た。
 提案料理が期待に沿う「山古志名物料理作り」のヒントになってもらうことを祈りながら雪の中お別れした。

 昨年12月に山古志が舞台となった映画「マリと子犬の物語」が全国で封切られたが、主人公モデルである(現)「山の暮らし再生機構」の五十嵐氏とボランティア災害センターの井上氏のご助力、長谷川小学校長、小林中学校長のご理解、そして支部のチャリティーイベントにご参加をして頂いた皆様とご協賛ご協力をして頂いた関係各社にこの紙面をお借りして心より感謝をいたします。これからも「食」を通じて、奉仕の精神と健全な心、料理人としての品位と品格を若い方々に継承してもらうよう我々が手本となる努力していきたい。


TOPへ戻る